ビジネススキルを高めたいとき、以前は「まず本を読もう」といわれることが多くありました。
本屋に行けば企画力、文章力、時間管理、営業、プレゼンテーションなど、仕事に必要な能力については、多くの専門書がならんでいます。
ニッチなことになると書かれてなかったりもしますが、大抵のことは先人や経験者が記した本から、考え方や改善方法を学ぶことで解決できました。
しかし、現在は本だけが学習手段ではありません。
生成AIを使えば、分からない言葉を説明してもらったり、複雑な内容を要約してもらったり、自分の仕事に近い具体例として例えをだしたりします。
では、生成AIがあれば、読書はもう必要ないのでしょうか。
ここからは、生成AIを「AI」と表記します。
AIは何度でも質問できる
AIを学習に使う大きな利点は、理解できるまで何度でも質問できることです。
人に質問するときは、「こんな簡単なことも分からないと思われるのではないか」「もう一度聞くのは申し訳ない」と、相手に気をつかうことがあります。
相手の時間を使わせることが気になり、分からないまま質問を諦めてしまう人もいるかもしれませんが、AIにはこうした遠慮をする必要がありません。
同じ質問を繰り返しても、「もっと簡単な言葉で」「別の例を使って」「仕事の場面に置き換えて」と頼めばいくらでも相手をしてくれます。
本は同じ文章を読み返すことはできますが、書かれていることがすべてでわかりやすい説明を変えてはくれません。AIを併用すれば、本でつまずいた部分を別の角度から学び直せます。
質問しやすさと正確さは別
注意しなければならないのは、AIは専門家本人ではありません。
AIは自然な文章を作れますが、その内容が必ず正しいとは限りません。事実とは異なる情報や、存在しない本、人物、出典などを、もっともらしく生成することがあります。
この現象は「ハルシネーション」と呼ばれます。
人間のように、相手をだます目的で嘘をついているわけではありません。しかし、誤った内容でも自信があるような文章で答えるため、利用者が間違いに気づきにくいという問題があります。
これまでにAIの誤答を経験した人が、回答を全面的に信用できないと感じるのは当然です。
特に、法律、医療、税金、契約など、間違いによる影響が大きい分野では、AIの回答だけで判断するべきではありません。
AIは「何でも正しく答える先生」ではなく、理解を助ける相談相手として活用したい。
本は知識の地図になる
何も知らない分野をAIだけで学ぼうとすると、何を質問すればよいのか分かりません。
AIの説明から重要な論点が抜けていても、基礎知識がなければ疑問も持つことが出来ません。
そこで役立つのが入門書になります。
入門書を一冊読むと、その分野にどのような考え方があり、どの用語が重要で、どの順番で学べばよいのかが見えてきます。
本は、知識を体系的に整理した地図のようなものです。
その地図を持ってAIに質問すれば、疑問を深く掘り下げやすくなります。
AI時代の学び方
これからの学習では、本とAIのどちらか一方を選ぶ必要はありません。
本で全体像と判断の基準を学び、分からないところをAIに何度でも質問する。AIの回答はそのまま信じず、本や公的資料、一次情報と照らし合わせる。
AIと読書を併用することで内容の理解の速度をあげることができます。
本で知識の地図を手に入れ、AIとの対話で理解を深める。
この二つを組み合わせることで、以前より効率よく学習を高められるようになりました。




