インターネットを使って、どうにか“無料で”本を楽しめないかな。
そんなことを考えていたら、Kindleの無料本・試し読みを読むのが一番手堅いんじゃないかと思いました。
これ、お風呂に入ってるときに思いついた企画です。
まずは有名どころから行こう。そう決めて選んだのがこちら。
『サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福 試し読み増量版』
2016年ごろ本屋で平積みになって、大いに話題になったあの本です。
残念ながら、当時公開されていた試し読み増量版は終了したようです。

『サピエンス全史』とは?
『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』は、歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが、人類の誕生から現代までの長い歴史を大きな視点から描いた本です。日本語版は柴田裕之が翻訳し、河出書房新社から上・下巻で刊行されています。
中心となるのは、「なぜホモ・サピエンスは地球上でこれほど大きな力を持つようになったのか」という問いです。人類が言葉や物語を使って大勢で協力できるようになった「認知革命」、狩猟採集から農耕へ移った「農業革命」、そして科学が社会を大きく変えていく「科学革命」まで、人類の歩みを大きな流れとして見ていきます。
ただ出来事を年代順に並べた歴史書ではありません。国家や宗教、貨幣など、人間が多くの人と協力するためにつくり出してきた仕組みにも目を向けながら、「文明が発達したことで、人間は本当に幸福になったのだろうか」というところまで話が広がっていきます。
人類の長い歴史を扱う本なので、これから読もうとすると「かなり長い本なのでは?」と気になる人もいると思います。実際、『サピエンス全史』は上・下巻に分かれており、単行本と文庫版でもページ数が違います。
『サピエンス全史』は何ページ?
『サピエンス全史』には単行本と文庫版があり、それぞれページ数が異なります。2016年に刊行された単行本は、上巻272ページ、下巻296ページ。上下巻を合わせると568ページです。
- 単行本 上巻:272ページ
- 単行本 下巻:296ページ
- 単行本 上下巻合計:568ページ
2023年に刊行された河出文庫版は、上巻が360ページ、下巻が400ページ。上下巻を合わせると760ページあります。
- 文庫版 上巻:360ページ
- 文庫版 下巻:400ページ
- 文庫版 上下巻合計:760ページ
同じ『サピエンス全史』なのにページ数がかなり違いますが、これは本の大きさや文字の組み方などが違うためです。「サピエンス全史は何ページ?」という場合は、単行本なら上下巻で568ページ、文庫版なら760ページと考えると分かりやすいでしょう。
かなりの内容で、読むのもつらいという人には、Audibleで聴き放題の対象になっているので、そちらで聴いてもらうと、通勤などでゆっくりと内容を楽しむことができます。
【上巻は11時間8分、下巻は11時間58分】
以前はKindleで30ページほど無料で試し読みできた
この記事を書いた当時、Kindleには『サピエンス全史』の試し読み増量版があり、30ページほど無料で読むことができました。
「たった30ページ?」と思うかもしれません。読む時間も、正直10分くらいで終わる人が多いはず。
でも、この30ページが妙に濃かったんです。1ページ読んだだけで「え、そうなの?」が出てくる。30ページなのに、かなり長い本を読んだような衝撃がありました。
試し読みって、こういうのでいいんだよな……と素直に思ったのを覚えています。
※この記事で紹介している「試し読み増量版」は現在終了しています。現在利用できる試し読みの範囲や条件は、Kindleの商品ページでご確認ください。
試し読みの内容は「第1部 認知革命」の入口
当時の試し読み増量版で読めたのは、『第1部 認知革命』の出だし部分です。特に最初の章のタイトルがもう良いんです。
第1章「唯一生き延びた人類種」
まず本書は、人類史の中で世界のあり方を大きく変えた“革命”を3つ提示します。
- 人類が地上で強くなるきっかけになった 認知革命
- 人類の行動を一変させた 農業革命
- 生活や社会を大きく変えていく 科学革命
この3つを軸に、「人類が地球にどんな影響を与えてきたのか」を語っていく本なんですね。
「人類は最初から特別だったわけじゃない」から始まる
面白いのが、語り出しの温度です。
この本は、人類の祖先がアフリカを歩き回っていた頃から話が始まります。200万年前の人類も、友情を結び、愛を育み、遊んでいた。それって象やサルと何が違うの?という視点が出てくる。
つまり最初に置かれるのは、こういう感覚です。
「人類と他の動物の間に、最初から決定的な差があるわけじゃない」
ここで、いきなり世界の見え方が変わります。
生物学の分類の話が、意外とわかりやすい
途中で、生物学の分類(科・属・種)の話が出てきます。これが「説明のための説明」じゃなくて、人類を“動物として”捉え直す導入になってるのがうまい。
たとえばライオンなら、みたいな分類があって、人類(ホモ・サピエンス)もその中では「ヒト科ヒト属」の一種にすぎない。
そしてここから、さらにドカンと来ます。
実は、1万3000年前まで、私たちには“多くの親類”がいた。
人類は「人類=自分たちだけ」と思いがちだけど、そうじゃなかった。この事実だけで、もう続きが読みたくなります。
たった数ページで「知りたい」が連鎖していく
試し読みの時点で、疑問が次々に立ち上がるんですよね。
- 人類の“兄弟”はどんな存在だったのか
- なぜ脳が大きくなっていったのか
- 直立歩行の利点と欠点は?
- 食物連鎖の“中ほど”にいた人類が、どうやって頂点に行ったのか?
こういう「次が気になる」が途切れない。だから、ほんの数十ページしか読んでいないのに、“続きの吸引力”が強かったんです。
面白かったら、上巻をそのまま読んでほしい
認知革命とは何か。人類はなぜ頂点へ躍り出たのか。農業革命がもたらした“幸福と不幸”とは何だったのか。
このへんが気になり始めたら、もう続きを読みたくなっていると思います。
568ページ、文庫版なら760ページと聞くと長く感じますが、扱っているのは人類の歴史そのものです。試し読みのわずかな範囲だけでも次々に疑問が出てきたので、そこからどこまで話が広がっていくのかを読むのも、この本の面白さではないでしょうか。
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