結論から言います。
歴史を「経済」で見直すと、戦国も江戸も急に立体になる。
強い大名には、ちゃんと“金の理由”がある。
この漫画はそれを、寺子屋ノリで軽く教えてくれます。
江戸時代の経済入門!その壱
- ジャンル:歴史・経済漫画
- ボリューム:49ページ(サクッと読める)
『江戸時代の経済入門!その壱』ってどんな漫画?
主人公は犬のアイタロー。
経済の歴史を勉強しているうちに、気づけば江戸時代へ。
そこで出会うヒデと一緒に、寺子屋「大福塾」で学ぶことになります。
戦国から江戸へ。
「時代の空気が変わる瞬間」を、経済で追いかけるタイプの漫画です。
まず良いと思ったのが「寺子屋のメンバー構成」
この漫画、寺子屋で一緒に勉強する子どもがいいんですよ。
- 武士の子
- 農民の子
ここがポイント。
商人の子がいない。
つまり最初から「商売の常識」で話を進めないんです。
武士と農民が「なんで?どうして?」って引っかかるところを、授業としてほどいていく。
経済を説明するときに、これ、めちゃくちゃ効きます。
読者側も「そこ、気になる!」ってなりやすい。
江戸経済って言うけど、いきなり“大阪の米相場”に行かないのが良い
江戸の経済って聞くと、
- 大阪の米相場
- 井原西鶴『日本永代蔵』
- 商人の世界
みたいな方向に行きがち。
でもこの作品は、そこからズラしてきます。
「そもそも戦国大名って、なんで金があったの?」
「ヨーロッパや世界の動きと、どうつながってたの?」
ここを、会話のテンポで見せてくれる。
学校の歴史って、合戦と政治の話が中心になりがちだけど、
この漫画は「金の流れ」を通して、時代の流れを見せる感じです。
ザビエル幽霊が出てくる時点で、教科書とは別の地図
寺子屋で真面目に教えるのかと思ったら、
いきなり幽霊のフランシスコ・ザビエルが出てきます。
ここで一気に話が広がる。
- 新大陸の銀
- アジア・大西洋・太平洋をまたぐ貿易圏
- 投資ブーム
- 投銀(なげがね)みたいな話
「え、戦国と江戸って、そんな世界の金の流れと絡むの?」
っていう視点を、すっと入れてくるのが面白い。
内容はディープすぎない。でも、薄味でもない。
ちょうど「わかった気になれる」ラインに置いてあるのが上手いです。
読後感:軽いのに、視点が増える
読んだあと、こうなります。
「戦国大名が強いのって、武力だけじゃないよな」
「経済を押さえると、時代の空気が読めるな」
“歴史の見方が1個増える”タイプの漫画。
これが強い。
しかも「その壱」なので、続きが気になる作り。次巻待ちになります。
蛇足:江戸って「民の経済感覚」が強烈な時代だった気がする
江戸時代が始まって100年以上。
260年の長さを思うと、まだまだ途中。
でもこの頃には、
- 規則が増える
- 下級武士の財布が苦しくなる
- 農民も経済感覚を鍛えざるを得なくなる
みたいな土台ができていきます。
定免法(不作でも豊作でも決まった額を払う)みたいな制度が進むと、
本来は禁止の農地売買が現実として動き出したりして、
「生きるために金を回す」感覚が強くなる。
昔だから経済感覚が劣ってる、って思いがちだけど、
むしろ江戸は庶民が経済に強くならないと生き残れない時代だったのかもしれません。
富くじに全財産突っ込んだり、
娘を吉原に沈めた金で商売始めたり、
今の価値観だと引くくらい必死で強烈。
だからこそ、当時の経済の話って面白いんですよね。
生々しいから。
まとめ:歴史好きなら「経済ルート」で楽しめる1冊
『江戸時代の経済入門!その壱』は、
戦国〜江戸の流れを「経済」でつなぎ直してくれる漫画です。
- 教科書とは違う視点が欲しい
- 戦国大名の強さを別角度で見たい
- 江戸の“金の匂い”を感じたい
このへんにピンと来る人には、ちょうどいい入口になります。
気になったら、とりあえずその壱。
軽く読めて、視点が増える。そういう漫画です。
個人で出されていた作品だったのですが、出版社から『まんが 江戸時代の経済入門』というタイトルでもともとあったシリーズをまとめられているので、そちらのリンクをしておきます。






