『ゼロからわかる「奴隷の歴史」』は2020年では先進国では存在しないと言われているシステムである奴隷制が古代にどう出来上がるのか?そして近代になるどのように変化するのかがざっくりと分かるように書かれている。

ゼロからわかる「奴隷の歴史」表紙

Kindle Unlimitedでも読むことができます。(2020年2月1日現在)

残念ながら「ゼロからわかるシリーズ」はすべてkindleの扱いから消されています。(2024年5月)


存在しないとは言われているが残滓がいまだに残る奴隷制度というシステムがどのようにヨーロッパの古代に使われていたのか。そして近代ではどう運用され解放されていったのかが簡潔に書かれている本である。

奴隷という言葉は今ではファンタジー小説の中でしか見ることがない。小説に出てくる奴隷はなぜかすべてがひどい待遇であり、使い捨てのように登場する。場合によっては戦争もしない多くの奴隷が出て来る作品もある。

そういった作品を娯楽として読むためにも実際に存在した奴隷とはどのようなシステムだったのかを簡単にでも知っているとまた違った視点でファンタジー小説を読むことができる。

そして、現代でもアフリカやアジアでも今だに先祖代々の奴隷は存在しており、これからも考えていかないといけない問題でもある。


さて、奴隷は人権の問題であると同時に近代史での強国が生まれる要因でもあった。

スペインが「太陽の没することなき帝国」となるに至った要因である南米の鉱山開発での奴隷貿易、そして奴隷貿易で成功しその金で国内の工業化に成功し奴隷を必要としなかったイギリス、アメリカの南部と北部での独立問題によって行われた南北戦争の最終的な旗印とないった奴隷解放。

1500年以降の歴史では奴隷が様々な影響を世界の流れに与えていることが見えてきます。学校の歴史ではほとんど触れることがない奴隷という存在を10分でざっくりと見ることができる。

ちなみに日本の奴隷についても4行程度で簡潔にまとめてあります。