大人と子供のための冒険図鑑。
地面の下と水の中、あなたの知らない世界がここにある。
私たちが立っている地面の下。
そして、広大な海の中。
大人になるまでに一度は疑問に思ったことがあるだろう。
「木の根っこはどこまで伸びているの?」
「恐竜の骨はどうして化石になるの?」
「タイタニック号は今どうなっているの?」
そんな不思議を、可愛らしい絵と圧倒的な情報量で描き尽くしたのが、この『アンダーアース・アンダーウォーター:地中・水中図絵』だ。
全108ページの大ボリューム。漢字にはルビが振ってあるので、子供と一緒に楽しめるのも嬉しい。

作品情報
| タイトル | アンダーアース・アンダーウォーター 地中・水中図絵 |
|---|---|
| 著者 | アレクサンドラ・ミジェリンスカ ダニエル・ミジェリンスキ |
| 出版社 | 徳間書店 |
| ジャンル | 図鑑 / 絵本 / 科学 |
| こんな人におすすめ | ・『マップス』の絵が好きな人 ・知的好奇心が旺盛な大人と子供 ・断面図を見るのが好きな人 |
地中の冒険:微生物から「地球の中心」まで
この本は、両側から開くことができる。
片側は「アンダーアース(地中)」、もう片側は「アンダーウォーター(水中)」だ。
地中の旅は、アリよりも小さい微生物から始まり、ページをめくるごとに少しずつ大きなもの、そして深い場所へと視点が潜っていく。
その過程で、普段は見えないインフラ(水道管や電気ケーブル)の断面図など、マニアックな解説も忘れない。
例えば、「世界で一番深い地下鉄は?」
答えは北朝鮮の平壌地下鉄。なんと地下110mもの深さにあるという。
こうしたトリビアが、美しいイラストと共に次々と飛び出してくる。
衝撃の事実:化石は「圧力」でできるわけじゃない?
個人的に衝撃だったのが、「恐竜の化石はどうやってできるのか?」のページだ。
子供の頃は「死んだ恐竜に土が被さって、圧力で固まってできる」と勝手に想像していた。
しかし実際は違う。
骨の内部はスポンジ状になっており、その小さな穴に土の粒子が入り込み、長い時間をかけて「石(鉱物)」へと置換されていくのだという。
「骨が石に変わる」。
このメカニズムを理解したとき、5分くらいそのページから目が離せなかった。
人類の執念:12kmの穴を掘るのに22年
地中パートで最もロマンを感じたのが、「人類が開けたものすごく深い穴」の話だ。
ロシア(旧ソ連)のコラ半島で、地球の内部を調査するために掘られた穴。
1970年から1992年まで、なんと22年も掘り続けたという。
その深さは12,262m(約12km)。
12kmの穴。
想像してみてほしい。石を落としても、音が返ってくることすらない深さだ。
しかもただ掘るだけではない。ドリルで削った岩石を標本として回収するために、「少し掘ってはドリルを引き上げ、また下ろす」という気の遠くなる作業を繰り返したのだ。
地底温度が予想以上の180℃に達し、ドリルが耐えられなくなって計画は終了したが、そこには人類の「知りたい」という凄まじい執念が詰まっている。
水中の冒険:奇抜な潜水服と深海生物
もう片側の「アンダーウォーター(水中)」も負けてはいない。
300年前の潜水服が面白すぎる
特にオススメなのが、昔の潜水服のページだ。
1715年という300年も前の潜水服から、近代のものまでがズラリと並んでいる。
これがもう、SF映画に出てくるロボットのようだったり、ただの樽にしか見えなかったりと、奇抜で面白い。
「どうしても水の中に入りたかった」という先人たちの試行錯誤に、思わずクスリと笑ってしまう。
深海という「異世界」
そして物語は、光も届かない深海へ。
そこには地上とは全く違う進化を遂げた生物たちがいる。
自分より大きな獲物を丸呑みする魚、自ら発光する生物。
「失われた都市」と呼ばれる、石灰の柱が立ち並ぶチムニー(熱水噴出孔)。
解説はシンプルだが、ミジェリンスキ夫妻の描く絵が、その「異世界」の空気を雄弁に語ってくれる。
まとめ:地球の核まで続く旅
大人が読めば、忘れていた好奇心を刺激される。
子供が見れば、絵だけで未知の世界に没頭できる。
もっと楽しむなら、親子で一緒にページをめくりながら「これなんだろう?」と語り合うのが最高だろう。
地球の表面しか知らない私たちにとって、この図鑑は「足元の宇宙」への入り口なのだ。
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