世間ではグルメ漫画が流行っているらしい。
買っても買っても新しい作品が続々と世に出てくる。
Amazonをなんとなく回遊していたとき、ふと目に止まったのがこの『新婚よそじのメシ事情』である。
表紙を一見しただけでは「よくあるエッセイ漫画」に見えるかもしれない。
しかし、よく観察すると、そこには新婚夫婦ならではの「幸福な仕掛け」が隠されていた。

作品情報
| タイトル | 新婚よそじのメシ事情 |
|---|---|
| 著者 | 小坂 俊史 |
| 出版社 | 竹書房 |
| ジャンル | グルメ / エッセイ / 4ページ漫画 |
| こんな人におすすめ | ・晩婚・新婚の人 ・夫婦の何気ない会話を楽しみたい ・小坂俊史作品のファン |
表紙に見る「ネガティブ夫」と「ポジティブ妻」
表紙の絵は、コタツに入って鍋を囲む男女。
男は無精ひげに跳ねた前髪、Tシャツにどてらという格好だ。
見るからに「ずぼら」な性格であることを思わせる。
それに比べて、女は小綺麗にしており、男とは対照的にしっかりしている印象を受ける。
このビジュアルの対比だけで、本作が「ネガティブな夫」と「ポジティブな妻」の物語であることが伝わってくる。
「湯気のハート」と「重なる手」の演出
表紙の中でどうしても目に付くのは、中央の鍋だろう。
鍋から立ち上る湯気をよく見てほしい。
鍋の隙間から上昇した湯気が、なんと「ハートマーク」の形へと変化しているのだ。
これだけでも二人の関係性が分かるようになっているが、さらによく見ると、2人の手が鍋の蓋の上で重なっている。
夫はよだれを流し、鍋の蓋を取ろうとしている(=食への欲求)。
妻はそれを止めようとして、手を重ねている。
そのせいか、女性の頬はほんのりと朱色に染まっている。
この表紙を見た人には、タイトルの「新婚」という意味が、言葉以上の温度感で伝わるようになっているのだ。
まとめ:シンプルだが「幸せ」が詰まった一冊
正直、表紙の絵だけを見ると、最近のキラキラした漫画に比べて派手さはない。
しかし、コタツでの距離感、表情の差、そして新婚である幸せ感を「湯気」と「手」で表現する演出は見事だ。
暖色系の表紙カラーも相まって、漫画の内容に対してポジティブな期待を持たせてくれる。
4ページの起承転結で描かれる、40代新婚夫婦の「メシ事情」。
派手な料理は出てこないが、夫婦の食卓の温かさに触れたい人にはおすすめの一冊だ。
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