「働きたくない。でも働くなら、いかに楽をするか」を追求する西村博之(ひろゆき)さん。

「俺はレールの上を進んでるだけですよ」と飄々と語る古川健介(けんすう)さん。

「めっちゃ働くし、めっちゃ努力もするし、やりたいことを全部やる」とエネルギーの塊のような堀江貴文(ホリエモン)さん。

ネット界の有名人たちが一堂に会した書籍『就職しない生き方』が出版されたのは、2010年のこと。

あれから15年以上の歳月が流れました。

普通、ビジネスの世界では「変化に対応できない者は生き残れない」と言われます。

しかし、この本を今読み返して気づくのは、「彼らは驚くほど変わっていない」という事実です。

この記事のポイント

  • ひろゆき・ホリエモン・けんすう…成功者のスタイルは「松竹梅」でバラバラ
  • 15年経ってわかったこと:彼らは「生き方を変えなかった」から成功し続けた
  • お坊さんや茶人など、テレビには出ない「好きを仕事にした人」の貴重な記録

就職しない生き方

  • タイトル:就職しない生き方 ネットで「好き」を仕事にする10人の方法
  • 出版社:インプレス
  • 発売日:2010年4月1日

松竹梅のような「成功法則のバラつき」

本書の面白い点は、登場人物たちのスタンスが全く統一されていないことです。

  • ひろゆき:いかに楽をするか。ダラダラ生きるための効率化。
  • けんすう:マニュアル世代。レールの上を走りつつ、チャンスを掴む。
  • ホリエモン:圧倒的な努力と行動量。やりたいことは全部やる。

「楽に働きたい」「マニュアル通りにやりたい」「バリバリ働きたい」。
三者三様の考え方が提示されており、起業や成功の道は決して一本道ではないことを教えてくれます。

15年後の答え合わせ:「変わらない」という強さ

出版から15年以上が経ちました。
当時、この本をリアルタイムで読んだ人は「世の中にはこんな変わった人たちもいるんだな」程度の感想を持ったかもしれません。

しかし今、改めて彼らの現在地を確認してみると、驚くべきことに気づきます。
彼らは、当時語っていた生き方をそのまま続けているのです。

ぶれないスタンス

堀江さんは刑務所への収監という大きな出来事がありましたが、出所後も変わらず、ロケット開発や和牛ビジネスなど「やりたいこと」を片っ端から精力的に行っています。

古川(けんすう)さんはTwitter(X)での発信を見る限り、昔から変わらず飄々とネットの最前線にいます。

ひろゆきさんも、YouTubeでの切り抜き動画が流行るずっと前から、言っていることの根本は変わっていません。

ニコニコ動画で有名だった住職の「蝉丸P」さんも、15年経った今もニコニコ生放送を続けながら、本を出版されています。

変化しなくても、成功する

世の中のビジネス書には「日々変化していかないと生き残れない」と書かれていることが多々あります。

しかし、彼らを見ていると、一つの疑問が湧いてきます。

「成功者だから生き方を変えなかったのか? それとも、生き方を変えなかったからこそ成功したのか?」

自分の核となる部分(=好き、得意、楽にできること)を見つけ、そこを変えずに貫き通したからこそ、時代の方が彼らに追いついてきたのかもしれません。

「変化しなくても成功する人は成功する」。そんなある種の安心感を与えてくれます。

IT長者だけじゃない「好き」の形

本書には、有名なIT起業家だけでなく、テレビには滅多に出ない人たちのインタビューも収録されています。

  • 蝉丸P(住職):在家からお坊さんになるための現実的なステップと、続けることの難しさ。
  • 塩見直紀(半農半X):自給自足+天職(X)という、地方移住の先駆け的なライフスタイル。
  • 堀内議司男(茶人):茶道の家元秘書を経て独立。ネット黎明期に茶の湯の世界を広げた戦略。

特に、お坊さんや茶人といった伝統的な世界に、インターネットという武器を持って飛び込んだ人たちの話は、今読んでも新鮮です。

「縁」や「運」をどう捉え、どうキャリアに活かしたのか。そのプロセスは、今の時代にこそ響くものがあります。

まとめ

優秀な人たちのインタビューを読んでいると「自分にもできるかも?」という錯覚に陥るかもしれません。

しかし、彼らが語っているのは小手先のテクニックではなく、「自分はどう生きたいか」という根源的な問いに対する答えです。

15年経っても色褪せない、むしろ時間の経過によってその正しさが証明された10人の生き方。

「就職」という形にとらわれず、自由に生きたいと願うすべての人におすすめの一冊です。