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シンボルとはなにか?

絵の中に記号や象徴といった物が何を示す概念なのかということは映画を見たり漫画を見ていると考えさせられる。ジブリの数々の名作の中でも故人である高畑勲監督の作品には様々な象徴が隠され何度見ても新たな発見がある。

そういった事実に気づくのはこういったサイン・シンボル事典といった本を読む機会があると読むことで新しい気付きがあることは嬉しいことだ。

私達の身近な漫画も記号の塊でできている。連載漫画を1巻から読んでいると漫画の巻数が進むごとに漫画の絵から線が整理されていき、汗や走っているシーンの表現を記号化されていくことがわかる。

そして漫画に慣れている私達はそれをあたりまのように読み解き漫画を面白く読むことが出来るのは私達が経験的に記号や象徴を自然と読み解く習慣が出来ているからだ。

この漫画を読む力がある人なら絵画でも同じように楽しむことができるようになるためには軽くでもサイン・シンボル事典に目を通しておくことで楽しむことが出来るようになる。

気に入っているシンボル

「サイン・シンボル事典」の中で気に入っているのが「エルヴィス・プレスリー」がセックス・シンボルとして取り上げられている。ペルヴィス(骨盤)のエルヴィスとしてロックロールの王者としてエルヴィスの魅力的な声と男性として魅力、そして腰をふり魅力を振りまく踊りが後世に「エルヴィス・プレスリー」=「セックス・シンボル」という扱いになっている。

絵画で例の話をしよう。

貴方が絵画と言われて想像するピカソやゴッホといった近代絵画ではないだろうか。近代以降の絵画は宗教から離れ風景や自然をキャンパスに描かれるようになり、絵全体に大きな意味を見出すことができる。

ムンクの名作「叫び」よくムンクの叫びと呼ばれる名画だ。この絵画はムンクが「自然を貫く果てしない叫び」に怖れおののいて耳を塞いでいる姿を描いた作品である。ムンクが感じ見た光景を絵にしている作品である。

スペインの画家であるサルバドール・ダリの絵画「記憶の固執」は本人が素晴らしい絵を描くために寝て観る夢をそのまま絵にした作品であり画いた本人ですら説明のできない作品となっている。

2人の絵画は近代絵画として画家が自らの考えで作品を制作しています。近代以前のパトロンや教会からの依頼で作られた絵画とは違い記号や象徴がわからなくてもフィーリングで理解や感じるとこが出来る作品が増えていく。

それでは近代以前の宗教が力を持っていた時代の絵画には様々な意味をもたせて作品が描かれている。最もわかりやすいのがイエス・キリストや聖母マリアが描かれた絵画である。作品には十字架と光輪が描かれシンボルを知っていることでたとえキリストが赤子でもひと目でキリストが描かれた作品であることがわかるようになっている。

聖母マリアも多くの人物が描かれる絵画であっても簡単にわかるようにシンボルとして女性の頭の後ろの光輪、そして白いユリの花が描かれることで、どの女性がマリアであるかを示すという意味をもっている。

キリストを裏切ったとされるユダもまた同じように登場すると視線をずらしていたり、銀貨の入った袋を持っていたりとユダを指す象徴が描かれるという絵に意味あり、蛇か描かれていれば、アダムとイヴを誘惑したサタンという意味ということになる。昔の絵画は宗教的な意味があるからこそ1つ1つに意味を指している。

絵画が一般大衆のものになってからの近代絵画や現代芸術にもシンボルが使われているので意味を知っていると、様々なシンボルから意味を想像することが出来るようになるのはとても楽しい。

わたしたちの身近なのは映画なのでジブリの高畑勲さんや宮崎駿さんやジブリではないが押井守さんのの映画作品にも様々な象徴や記号が描かれているので、こういったシンボルのについて本を読んでから見るとまた違った視点で見ることができるのでどうでしょう。


読みたいと思ったら図書館に行けば大体置いてあるので機会があれば。

■□■ 目次 ■□■

■□はじめに

■□神話と宗教

・古代宗教 
・ユダヤ教 
・キリスト教 
・ヒンドゥー教
・仏教
・イスラーム教
・祖先と自然の霊
・神話の動物

■□自然
・太陽と月
・天と地
・貴重な物質
・宝石
・庭園
・樹木
・植物
・自然の食物
・花
・海の動物
・昆虫その他
・爬虫類と両生類
・哺乳類
・烏

■□人間
・性と豊饒
・人体
・ダンス(舞踏)と演劇
・魔術とお守り
・楽器
・愛と結婚
・衣服
・装身具
・王権
・道具と武器
・死と喪(も)
・建築
・日用品


■□象徴体系
・象形文字
・数
・形と文様(パターン)
・色彩
・錬金術
・フリーメーソン
・占い
・占星術
・紋章の象徴
・国際記号(サイン)
・象徴的身振り

■□用語解説
■□索引
■□出典一覧