ラノベ作家の古橋湊大の住んでいるアパートの隣の部屋に家庭教師の元教え子の音成奏が引っ越してくる。昔大ヒットした作品のヒロインのモデルであり、心惹かれた女の子が大人になって隣の部屋に引っ越してくるというだけでもドキドキするので距離を置こうとするが、物理的な距離も近ければ奏の行動も相まって気づけば晩御飯を一緒に食べる関係になって。

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【タイトル】理想のおとなりさん(全2巻)
【作者】佐野妙
【ジャンル】 4コマ、恋愛
【発売日】 2023/9/14
【出版社】 ぶんか社

理想のおとなりさん1巻2巻の表紙

恋愛4コマ漫画ながらもほぼノーストレスという少し変わった作品。
普通に恋愛を主軸になってはいるが2巻で完結するだけあって大きな出来事はなく、両想いでありながらも二人で遠慮して距離をとろうとしたりまた近づいたりいと、相手の気持ちがわからないために読者にいつ切り出すのかと思う片思いの二人。

たった1歩踏み込むだけで両想いになる関係を最初から最後まで続けるのは恋愛漫画の王道と言えばそれまでではあるが、2巻では大きな出来事をするためにの伏線は張るのはむずかしい、もともと4コマ漫画の連載作品はそのとき読んで楽しめるという雑誌の作り方がされているので、どうしても短い巻数だと伏線の準備するよりも気軽に読める4コマ漫画となっている。

恋愛4コマ漫画なので大筋としては二人の恋愛が成就することがこの漫画のラストとしてお話がするなかで、もう一つのお話は主人公である古橋湊大のサクセスストーリーという面もある。

理想のおとなりさん(1巻 7P)
理想のおとなりさん(1巻 7P)

彼は作家として教え子の音成奏をモデルに書いたデビュー作品『太陽の女神が俺にだけデレてくる』はアニメ化するほどの大ヒットになったが、1作目以降は鳴かず飛ばずのために作家としては生きていけず、市の文化講座で文章の書き方を教えながら新しい作品を書いてはを持ち込んでいる生活をしている。

今の生活は作家にもなれず何とか文化講座を教えながら生活して、地に足がついていない生活をしている中で隣に引っ越してきた音成奏は市の社会福祉士として地に足がついている生き方をしている。

そんな彼女との恋愛を成就するためにはどうしても地に足をついた生活ができるようにならないと男としてのプライドや釣り合いがとれるようにならないとうだつの上がらない男がヒモのような状態な関係のように見える可能性もある。

二人とも良い歳なので、作品の結末として漫画が終わっていこう幸せで生活しているという印象を読者に与えて終わりたいと思うのはゆるい恋愛漫画としてはまっとうな着地点と考えるのそれほど間違ってはないだろう。

恋愛漫画で主人公が女性なら心の救済でもよいが、男性の場合は心の救済は20台前半までで大人としての男性なら生活の安定や成功をしてこそ物語が終わっていこうの未来を読者が想像したときに幸せをイメージさせることができるのではないか。

1巻2巻前半までは古橋湊大が作品を書いても、企画として通らずほかの作品を見てもなぜこれが売れるのかということを口にしている。彼は自分が売れる作品をどうしてたら書けるのかがわかっていない、そんな中でヒロインのモデルにした音成奏が再開したことで自分が書きたい作品はなにかがわからず切羽詰まっても、元カノに煽られても書けない状態から書きたいと思い、書いて連載が始まるまでの音成奏との関係のなかで気持ちの変化によって作品を作ることができた。

大人としての対等な関係として二人が幸せになるイメージを読者に想像させる良い終わり方。

 

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