ガッチマンさんの魅力に迫る!漫画で明かされるゲーム実況者の黎明期

ガッチマンさんは、ホラーゲーム配信を中心に活躍されている人気YouTuberであり、VTuberもこなす大物ゲーム実況者です。

そんな彼の活動の裏側を描いた漫画は、YouTubeが流行する前のニコニコ生放送時代のエピソードが中心となっています。とはいえ、視聴者から見たガッチマンさんの活動内容は今と大きく変わらないため、彼の日常や裏側を垣間見ているような感覚で楽しめます。

漫画の冒頭では、家庭でのゲーム生活とどう折り合いをつけているかという興味深い話が出てきます。メーカーとの打ち合わせでのエピソードでは、ゲームのどこをアピールしたいかと尋ねられたメーカーの担当者が、まさかの「おっぱい」と即答!しかも、どんな番組の流れでやってほしいかと聞くと「特にありません」という、番組制作側からすると困ってしまうような回答が返ってくるんです。

この「おっぱい」をいかに魅力的に見せるか、ガッチマンさんは試行錯誤を繰り返します。家で実際にゲームをプレイしながら「おっぱいってどうすれば見たくなるのか」と頭を抱え、奥さんに誤解を与えながらも最終的に導き出した結論は「コスプレをすること」でした。

企画で使うためのゲームを予習として必死にクリアしたのに、まさかのキャンセルというオチといった、リアルなエピソードも描かれています。ガッチマンさんがいきなりゲーム配信者として成功したわけではなく、彼の退職金で生活していた時期もあったという話は、世の中に「ゲーム配信者」という仕事が確立されていなかった黎明期から活躍してきた彼だからこそ。仕事になるまでの大変さが漫画を通してひしひしと伝わってきます。

 

特別対談:ガッチマン×レトルトまったり語らせて!

漫画には、特別対談として「ガッチマン×レトルトまったり語らせて!」が4回にわたって収録されています。二人の会話はかなりとりとめがないものの、それがかえって仲の良さを感じさせます。例えば、「ゲーム実況者を続けてきた職業病は?」という話では、ガッチマンさんが「どんなモノでも武器に見える」と、まるで小学生のゲーム好きの子供たちがするような会話を繰り広げていて、思わず笑ってしまいます。

特に面白いのは、ゲーム実況者としてのスタイルや生活の違いが語られている点です。ガッチマンさんは、実況で使うゲームはプライベートではプレイできず、自分の楽しみのためのゲームは深夜になってから、昼間のゲームプレイは仕事のためと語ります。それに対し、レトルトさんはプライベートのゲームを昼間にプレイするという対照的な生活を送っており、二人の個性やプロ意識が垣間見える対談となっています。

この漫画が2016年に発売されたものだからこそ、初期のゲーム実況者がどんな活動をしていたのか、その裏側が鮮明に見えてくるのが非常に興味深いです。YouTubeが今ほど主流ではなかった初期のゲーム配信者にとって、ニコニコ生放送の公式番組でのMCなどが主な収入源だったというエピソードも描かれており、ゲーム実況業界の黎明期を深く知ることができる内容となっています。

ご紹介した書籍

タイトル: パパはゲーム実況者 ガッチマンの愉快で平穏な日々 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
著者: トラちん, ガッチマン
発売年: 2016/5/26

目次

  • プロローグ
  • 登場人物紹介
  • 第1章 夫がゲーム実況者やってます
  • COLUMN「ゲーム実況」というお仕事のヒ・ミ・ツ
    • 特別対談 PART1 ガッチマン×レトルトまったり語らせて!
  • 第2章 ガッチさんの仕事現場をのぞいてみると
    • 特別対談 PART2 ガッチマン×レトルトまったり語らせて!
  • 第3章 イベント、実況 …… ガッチマンさんの晴れ舞台
    • 特別対談 PART3 ガッチマン×レトルトまったり語らせて!
  • 第4章 ガッチさんの知しられざる生態
    • 特別対談 PART4 ガッチマン×レトルトまったり語らせて!
  • 第5章 ガッチさんと家族 平穏な日々
  • エピローグ