ハクメイとミコチの3巻から4巻を読み直して感じたことや思ったことなどを覚書として書いたりしている。違う世界の話なのだけど日常とその日常を我々が想像する美しさで描かれている。
汚れを描かずたとえ描いていても新海誠やクリスチャン・ラッセンのように彼女たちの日常を見せてくれる。
ハクメイとミコチ 第3巻【目次と感想】
足下の歩き方 その15(前)
■□ 第15話『長い一日』
(一)蜂蜜館の人々
(二)ジュレップと地下通路
(三)陰の酒蔵
(四)紙飛行機と煙玉
(五)月明かりと追憶
足下の歩き方 その15(後)
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ、コンジュ、旋毛丸、ヒガキ
享楽家ウカイが作った蜂蜜館での騒動。ヒガキが館での騒動を仲裁するときにウカイがもってきた「蜂蜜館ジュレップ」をミコチに作ってほしいと願い出る。酒造りで財を成したのにその落ちなのねて思った。
旋毛丸というキャラの使い方がうまくいい味がなキャラクターとして嫌な奴からいい奴までもっていっている。
■□ 第16話『樹上の梯子』
足下の歩き方 その16 『ある日の日記』
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ、コハル(コクワガタ)
ミコチの家の上のほうが騒がしいので調べに行くと気づけば同じ楠にほか人たちが住んだり、お店を出したりと賑やかになっている話。
ミコチの故郷の話が少しある。どうやら木の上に家を建てて生活するスタイルらしい。それとハクメイがミコチの家に転がり込んだことが明らかに。
■□ 第17話『休みの日』
足下の歩き方 その17『古着屋[リ・ルナ]』
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ、イワシ
ハクメイたちとイワシが休日にマキナタをぶらぶらと服を買ったり昼ごはんを食べる話。
マキナタの街が思った以上に小さい人達の街で少し大きなイワシだとは入れない店が多く、マキナタのある国の文化を感じさせる。
■□ 第18話『カヌレの香り』
足下の歩き方 その18『姉弟の才能』
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ、
スズミ(アナグマ)、ケイト(アナグマ)、シグレ(ミツバチ)
ところどころで名前が出ていた夢品商店の店主スズミが弟のケイトにカヌレを作ってもらうようにお願いしてほしいとミコチに頼み、交渉する話。
ミツバチのシグレのセリフが男前でカッコいい。
まぁ、メスなんだけどね蜂蜜を集めるから。
■□ 第19話『笑顔の写真』
足下の歩き方 その19『写真家ミミへのインタビュー』
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ、ミミ
写真家ミミがハクメイ達を撮影するお話。
P173のいくつもの写真がボードに貼られている写真の一枚一枚に絵に作者のセンスが出ている。
ハクメイとミコチ 第4巻【目次】
■□ 第20話『水底のリズム』
(一) 静寂と喧騒
(二) 潜水服とタンバリン
足下の歩き方 『木こりの歌』
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ、セン、コンジュ、ナライ(会長)、カテン(副会長)
センの研究で水の中に潜ることができる潜水艇のような骨の魚で潜るテストをおこなう話。
最初のページではコンジュがタンバリンを叩きセンが指示を出しているだけで何が起きているかは明確にわからないところに次のページで大きな骨の魚に蚊の情たちの状況が一目でわかる見開きになっているのがニクい。見た瞬間に引き込まれる見事な見開き。
■□ 第21話『ネジとベッド』
足下の歩き方 『鰯谷とジャダ』
【登場人物】
ジャダ、イタチ、ナライ(会長)、カテン(副会長)
イタチがジャダの壊れた家であり美容院を修繕する話。
この作品でもっとも頻繁に出てくる男性キャラであるイタチ、この話をハクメイですることも十分にできただろうけど、ここでイタチを出してくるあたりがこの作品らしさというべき。
ページ数がもっとあったならこの話はハクメイでやっていたんじゃないかなと、見栄えになる絵が一枚もなく、コマもとても細かく割っているのが分かる。
■□ 第22話『ジャムと祭り』
足下の歩き方 『八百屋のミキ』
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ、マヤ(マスター)、スズミ(アナグマ)、
ミキ、旋毛丸、ミマリ、シナト
お祭りの空いた屋台でミコチがジャムとパンを売る話。前日に急に言われて仕入れから仕込み、そして祭りへと週刊漫画なら何話にも区切れそうな話を濃密に描いている。
ミコチの秀才感というか能力のギリギリを責める感じがあっていい。あと偶然でも幸運でもない大人の交渉をしているのが生活が見えて世界観を強固にしているのもよい。
あとはP67のミコチの怒りのマークが使われているのはこれが初めてじゃないかな。
P87はハクメイとミコチが忙しく働いているコマが続くがここで音がないのは楽しいことをやっているときのスピード感、ノートをめくるように情景が流れているように描かれている。数時間を一瞬に感じるという表現かもしれない。
■□ 第23話『一服の珈琲』
足下の歩き方 『母からの手紙』
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ、マスター
動かなくなったコーヒーのミルの話。久しぶりのファンタジー、1巻の2話以降はこういった話もなかった。絵よりも物語の強い話。
■□ 第24話『竹の湯』
足下の歩き方 『コヌタ焼きについて』
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ
温泉に行ったら入れなかったから自作するという話。竹の話だったり、墨壷だったりと説明の多い、都合のいいことが起きているのではなくそれなりの理由があることを言葉にして分かりやすく説明してるのは珍しい気がする。
お湯を作るのに温めた石を入れる方法は初期の家の風呂のお湯を作るのも同じ方法を取っていたのだと思ったけどミコチが驚いていたから違うのかな。
■□ 第25話『大根とパイプ』
足下の歩き方 『劇団トンプ公演[寝そべる紫煙]』
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ、アユネ
ミコチの姉のアユネが訪ねてくる話。吹き大根食べたり、ウィスキーを飲んだりしているけど、アユネがミコチとの距離感をどうとるかを色々と試している感じがする。
そう感じる僕としてはP143の最後のコマのとらえ方で意味が変ってくる。
アユネの笑みはごまかしかな?
劇団トンプ公演[寝そべる紫煙]の話を読むとアユネが訪ねてきたことの理由なのかなと
■□ 第26話『夜越しの汽車』
足下の歩き方 『同期の先輩』
【登場人物】
ハクメイ、ミコチ、みーちゃん(鉄道員)
2人が汽車で旅をする話。今まで26話までの話の中でもっとも人々の空気感、背景のような人達の躍動を感じる。特にハクメイが食堂車へコーヒーを買いに行くまでの無言の時間は僕も同じ空間で同じ空気を感じている気になる。