KindleUnlimitedで読める漫画「わたし偽装キラキラ女子でした。」
(2021年2月28日時点)
前半のカラーページは前座、そこを読んでからの暗転してから本編。75ページの23歳の物語を読んだからこその後半のセピア色で描かれる29歳がさらに面白かった。
キラキラ女子になろうとしたのか、皮だけキラキラ女子になっていたのか、大学を卒業して上京、東京で大手IT企業で働き出した20代前半の作者が経験したことを描いたエッセイではなく、エッセイを盛るために脚色・演出した「そっセイ」だそうです。
※そっセイは多分造語かなと。
【タイトル】わたし偽装キラキラ女子でした。
【作者】あい茶
【出版】コルク
【日付】2020年10月25日
漫画の時代は読んでいるとスマホが当たり前にでてきて、Facebookが利用されているのにガラケイが主流ということから2010年前後の話なのだろうか、その時代からキラキラ女子がいたのかとおもいつつも、NHKの番組で2016年から開始された「ねほりんぱほりん」の第1回目で登場するのを見ると、2016年には当たり前のように知られる言葉だったようだが2010年にはそんな文化が生まれていたことに驚きがある。
2000年後半から流行りだした意識高い系の会社というかイケイケのIT企業に就職して、段々と作者がキラキラ女子になっていくのかと思いきや、何処まで行っても外面だけのキラキラ女子を演じることで、その行為にエネルギーがすわれるかのように家ではダメ人間となっている。
漫画の展開の描き方が主人公の感情を上げて下げてと大きく変化をつけて表現しているので演出も悪くない。うまく描かれているように思える。読んでいれば漫画の内容に『あぁ、ここを盛ったんだな』というのが分かることもあるが十分に面白く読むことができるはずだ。
偽装キラキラ女子として彼氏ができ別れ、仕事や生き方に悩むけれども過去の自分を眺め、仕事の仲間に励まされ最後には前向きに生きていけるという締めくくられる。
キラキラ女子て多分そんな感じなんだろうな読者が多少な偏見もありつつも想像していた女性の精一杯の社会人としての成長となかなかにめんどくさい人間関係が楽しめるので、読んで損だったとは感じない。十分に楽しめる面白い漫画である。
そこそこ楽しめた偽装キラキラ女子の生活だけでは終わらない、ここからこの漫画が更に面白くなっている。
そこそこ楽しめた「わたし偽装キラキラ女子でした。」も23歳の若い女性が偽装キラキラ女子になる生活には色がある。色とは若さや夢、未来を感じさせる明るさを読者が感じられるように描かれていた・・・はずなのに、29歳になると突如漫画は白黒、不穏なセピア色になるのだ。
社会人になり様々な苦労や経験をする23歳までの75ページはこの漫画の前座といっていいかもしれない。カラーでキラキラ女子の生活を描いた漫画が、突如として白黒となり、そこから続く「29歳の憂鬱、30歳の旅立ち」。
カラーで描かれていた偽装キラキラ女子ではなく、それから7年の歳月、彼女が今まで弓の弦が張り詰めに張り詰めていた糸がビィーーンと切れ、会社をやめ家族との距離を取ることなるとことから始まる。
なぜ彼女の張り詰めたい糸が切れたのかももちろん描かれている。23歳から1年後の24歳に起きたある出来事が関係してくる。それは29歳の彼女にも延々と後追引き、結婚を約束している男性にも影響が出てしまう。
23歳でのキラキラ女子になろうとしたときの締めくくるとして、これからも頑張っていこう!!と前向きに締めくくられているのに、24歳での出来事が29歳になっても延々と足を引ずる要因となって様々なことを引きずってしまう。
23歳までの幸せそうに内容が、暗転してしまっているのを読めば感じるので、カラーページはやっぱり前座だなと。
偽装キラキラ女子の話だけでは星3だったが、29歳からの話を読んで星4でいいと思えるだけの面白さが75ページ以降にはある。作者はエッセイに脚色と演出とかを加えた「そっセイ」といっているので、後半は脚色と演出だったらそれはもう作者の才能にはお手上げ。
素直に騙されておこう。