結論から言います。
これは「高級グルメ」じゃない。“月1のご褒美”の漫画だ。
家族のために働くお父さんが、給料日にだけこっそり楽しむ。
その姿が、なんかもう、尊い。
『給料日のグルメ』はそういう漫画です。

給料日のグルメ
- 作者:楠本哲
- 出版社:日本文芸社 (週刊漫画ゴラク)
- ジャンル:グルメ漫画
- 巻数:全2巻(完結)
主人公・神藤は「堅物」に見える男
会社での神藤は、仕事はできる。
でも飲み会には行かない。ノリもしない。
同僚からすると、たぶんこう見えてる。
「この人、人生の楽しみあるの?」って。
でも神藤には、ちゃんとある。
それが 給料日。
給料日限定。30日に1回の、ささやかな贅沢
ポイントはここです。
- 毎日じゃない
- 週1でもない
- 月1だけ
しかも、贅沢と言っても限度がある。
高級フレンチで3万とかじゃない。
1万円を超えない、ちょっといい外食。
たとえば、
- エビフライ 2600円
- 冷やし中華 1510円
みたいな、地に足のついたご褒美。
安い回だと、冷やし中華+北京ダック+杏仁豆腐で2810円みたいに、「これでいいんだよ」ってラインも普通にある。
“高ければ幸せ”じゃない。「何を食べるか」なんだよね
この漫画の良さは、ここに詰まってます。
食事の幸福って、値段じゃない。
自分が今、本当に食べたいものを食べること。
だから神藤は、給料日まで我慢する。
そして当日は、ちゃんと準備する。
- まずビール
- 次にサブメニュー
- それで腹を整える
- そしてメインを迎え撃つ
完全にコース料理の組み立てなんですよ。
「メインをいかに美味しく食べるか」が主目的。
この“待つ時間”まで含めて楽しんでるのが、読んでて気持ちいい。
家族の理解があるのが、地味に嬉しい
こういう話って、だいたい「奥さんに理解されない」「会社で愚痴を言う」みたいな方向に行きがちなんですけど、神藤は違う。
神藤は家族のために頑張ってて、奥さんもそれを分かってる。
だから、双子が生まれてから一度やめてた楽しみを、復活できた。
ここがね、妙にリアルで、ちょっと温かいんですよ。
「分かってもらえてる」って、日常の幸福としてでかい。
給料日の神藤は、別人みたいに顔が変わる
タイトル通り、この漫画は「給料日の神藤」を見る漫画です。
会社では堅物。
でも店に入った瞬間、口角が上がる。
メニューを見てニヤける。
メインを待つ間のテンションが、もう子ども。
例えるなら、お子様ランチ待ってる時の顔。
そして食べ始めると、目じりが下がって、顔に笑みが浮かぶ。
顔全体から幸福が漏れてる。
このギャップが楽しい。
演出が王道で、だからこそうまそう
神藤が食べると、エビフライが踊る。
おでんを食べれば、脳内で小旅行が始まる。
新幹線が関西だの名古屋だの駆け抜ける。
最近のグルメ漫画って、理屈や蘊蓄に寄ることも多いけど、
これは「うまい!幸せ!」の王道演出。
だから読んでるこっちも、
「それ食べたい」
「給料日、あれやりたい」
って素直に思わされる。
神藤の食べ方が“全力”でいい
神藤はメインを最高に味わうために、あえてご飯を頼まないこともある。
エビフライでも、Tボーンでも、主役は主役として迎える。
一口一口、味を確かめて、全力で楽しむ。
この「全力で食べる」姿が、読んでて気持ちいい。
まとめ:月1の楽しみを持ってる人は、たぶん刺さる
『給料日のグルメ』は、豪華なグルメ漫画じゃない。
家族のために働きながら、月1だけ自分に許す、ささやかな外食。
それを、丁寧に、幸福そうに食べるお父さんを眺める漫画です。
そして読み終わると、こう思う。
自分も、給料日にだけ食べる“何か”を作りたくなる。
それがこの作品の強さだと思います。





