働きたくないでも働くならいかに楽をするか、世の中を楽しみたい西村博之さん。俺レールの上を進んでるだけですよと語っている古川健介さん。めっちゃ働くしめっちゃ努力もするし、めっちゃやりたいことを続けるよ俺はというスタンスの堀江貴文さん。
この三人が松竹梅ではないけれども楽に働きたい、マニュアル通りですよ、すごく働いて上に行くよと3つの考えに分かれているのが印象的で面白い。起業して成功するのも一辺倒ではないんだなと思いつつ読むと楽しめた。
インタビューされた人の中にはお坊さん、茶人といったテレビにも出てこないので知る機会がない人たちが、どうしてその道に進んだのかの話は知る機会が無い話を読むとして本当に面白い。
この本に出てくる人は2010年のインタビューから10年経っても変わらずに活躍をしている。全員が無事平穏というわけではないかもれないがほとんどの人が10年経ってもかわらない。
当時この本を読んでいても、まぁ世の中にはそんな人達もいるよねぐらいの気持ちで読んでいただろうが、10年の歳月を経て本に載っている人たちがどのような変化をしたかを気になって調べてみると『就職しない生き方』のインタビューに答えたような生き方をしている。
堀江さんのように刑務所に入って出てきた当時は神妙な趣があったが、数年もすれば会社の経営はしていないが、やりたいと思ったことを片っ端から精力的に行っている。
古川さんはTwitterの内容を読む限り劇的な変化もなく昔から変わっていない感じがある。西村博之さんはYoutubeの動画を見る限り、今も昔も変化していない。
蝉丸Pも10年たっても今もニコニコ動画の生放送をやってたまに本を出版サれているが、観測できる限り10年前とそれほど変わらない生活を続けている。住職の仕事が劇的にかわるということも想像はできないが。
他の方々もそれほど変化もなく、成功者としての生活を続けているのを見ていると成功者だから生き方を変えなかったのか。生き方を変えなかったからこそ成功したのかが気になるところではある。
世の中に出回っているビジネス書では日々変化していかないと成功しないと書いてあることが多々あるが変化しなくても成功する人は成功するんだなと思った。
優秀な人たちのインタビューを読んでいると自分でも出来る気がするという錯覚なきもするけど。
タイトル『就職しない生き方 ネットで「好き」を仕事にする10人の方法』
【出版社】インプレス
【発売日】2010/4/1
【出版社】インプレス
【発売日】2010/4/1
本に出て来る自分物たち
・株式会社ロケットスタート 代表取締役社長 古川健介
・未来検索ブラジル 代表取締役社長 深水英一郎
・ニコニコ動画人気P&現役住職 蝉丸P
・半農半X研究所 代表 塩見直紀
・遠州流 茶人 壷中庵・宗長 堀内議司男
・NPO法人チャリティ・プラットフォーム 代表理事 佐藤大吾
・株式会社paperboy&co. 代表取締役CCO 家入一真
・ソフトイーサ株式会社 代表取締役会長 登 大遊
・元株式会社ライブドア 代表取締役社長CEO 堀江貴文
・元巨大掲示板2ちゃんねる管理人 西村博之
Cahpter1 『古川健介』
株式会社ロケットスタート代表取締役社長
マニュアル世代だから就職も企業もマニュアル通りやりました
学生社長からリクルート社員に転身後、ふたたび独立
古川健介さんの話はインタビューの構成もあるがとてもマニュアル的で会社を作った話から大学生時代のコミュニティサイトを運営していたミルクカフェのときから語っている。
それから段階を追ってマニュアルを読んでやってきたタイプの人間であること運良くすごい人たちと出会えたこと、1億円でインターネットサービスをライブドアに売ったこと。
すごいことを経験しているのにどうしても凄さを感じない語り口調の古川健介さんは大学を出ても「このまま適当にやろうかな」と考えていることを2ちゃんねるを作った西村博之さんに伝えると「ちゃんと就職しないと、俺らみたいになっちゃうよ」と言われてリクルートへ就職。
ここで会社を作らないのがマニュアル世代と考えるのか。堅実と考えるべきなのか考えさせられるがとりあえず大企業で3年間働き、副業として作ったロケットスタートを本格的に運営を始める。
まるで劇的なことが起こっていないかのように語っているが実際は様々なことが起きている。読んでいると運やタイミングが良かっただけに思えてしまうように書かれているが実際のところ彼に行動力とフットワークの軽さがあったこと。これが面白そうだと思うと行動できることが大きな力になって今があることを感じさせる。
Cahpter2 『深水英一郎』
株式会社未来検索ブラジル代表取締役
今なら起業しないで「まぐまぐ」やったかも
まぐまぐというメール配信システムの開発者。古川さんのあとなのでそれほどインパクトは感じないが、メール配信システムまぐまぐができるまでの流れ、どういった足跡がつけてきたのかがわかるのは面白い。
興味深いのは古川さんと同じく、起業したのは努力や才能ではなく「運」で、一度は就職して会社はどう動いているのかとかを見たほうが良いと語っている。
今は目新しくなくなったメール配信システムの始まりがわかること、本業とは別に副業としてやって本業を辞める必要なこれからの時代にはないという話はこの本が出て10年たった今こそ成り立つ話。
Cahpter3 『蝉丸P』
動画作成者・住職
ニコニコ動画で仏教を説く現役住職
坊さんは、なるよりも続けるのがむずかしいかと
ネットで有名になったお坊さんである蝉丸Pがどうゆう経路で住職になったか。インターネットでの活躍については軽く触れる程度。
高校時代にお坊さんになることを決めて、高野山高校に転校してから在家で実家が寺を持っていない人がどうのようなステップで坊主になったか。坊主になるための理想と現実の違い。ロマンとしての仏教との違いから辞めていく人たち。
深水さんからの流れで好きなことだから続けられたという文脈と住職になれたのは努力ではなく「縁」であるという話はとても興味深い。坊主になりたいと考えた人には在家がお坊さんになるという道順と普通の人が考える坊主を目指す人の思う現実のギャップがわかってくる。
実家に寺がない人は大変だという感想。
Cahpter4 『塩見直紀』
半農半X研究所 代表
半農半X(X エックス=天職)をコンセプトにUリターン半農生活
自分だけのコンセプトが見つかればそれでたべていけるんです
仕事を辞めて実家へUターンして自給自足の生活とプラスX(X=天職)な生活をしている。読む限りだと自分の家で食べる食料だけは作り、あとはワークショップや公演を行っている人。
なぜ半農なのかは農業の生活は「センス・オブ・ワンダー」に目覚めることができるからとのこと。農にふれる生活をすることで感受性が変化する。農にふれると頭も体もやわらかくなることでいいアイデアが生まれる。
そのアイデアが仕事になるので自分で食べる野菜をベランダでも台所で切り株を育てることが大切。
そしてXとは天職のこと、趣味ではなく寝食を忘れて没頭できてできれば周囲の世の中が良くなるもの。
見つける方法はとりあえず書き出してみること。大好きなことや大切なこと得意なことのキーワードを書き出してみることで見つかる。
Cahpter5 『堀内議司男』
遠州流 茶人 壺中庵・宗長
ネットで飛躍した脱サラ茶人
家元宅に住み込み修行の日々、ネットだけが世界への架け橋だった
20代過ぎてから茶の文化に触れて遠州流の家元の秘書として働き30代で独立して自分の茶道を勉強し続けている。ネットの初期のフォーラムで培った人脈でさまざまなイベントを行っている。
人生がそこそこ上手く回っていたのに茶道の家元の秘書を始めたり、ネットを使った自分のお茶の世界を広げようと活躍している。
茶道をどうすれば始められるのかや男性がすくなかったり、お稽古代が安かったりといった茶道の問題のあるなかで覚悟を持って茶道の道を進んでいる事がわかる。
好きなことを徹底的にやったほうが良い。損得抜きに失敗したらもう一度トライ、それとは別の新しいことにトライしてもいいと語っている。
Cahpter6 『佐藤大吾』
NPO法人チャリティ・プラットフォーム代表理事
阪神大震災ボランティアとのネット交流が人生を変えた
要望にこたえるうちにいつのまにか「社会起業家」と呼ばれていた
佐藤大吾さんがNPOをなぜ立ち上げたのか、立ち上げるまでの経緯、なによりも人との出会いを作るために様々なことを行ったことを語っている。
インターンとして様々な会社の鞄持ちをしながら「将来なにするの」を考え続けてインターンの経験が企業への学生インターン派遣事業が始まり、その中で議員へのインターンが赤字部門だったことからNPOとして立て直すことにそこからの経験からNPOの資金を集めるNPOを立ち上げる。
夢が見つからない人への5つのアドバイスとして
お金をためること
長い旅にでること
本を読むこと
友達を作っておくこと
インターンをやってみること
インターン以外は簡単にできることなのだけど読んでいるともっとも重要なのがそれ以外の夢を追っている人の近くにいることだそうだ。
読んでいると会社員には向いていない人だなとは思うし何よりも次々に新しいことをやりたいと考える人だということだけは書かれていることからも伝わる。マネは出来ないけれども楽しそうな人生なんだろうなと感じる。
Cahpter7 『家入一真』
株式会社paperboy&co. 代表取締役CCO
元ひきこもりのJASDAQ最年少上場IT社長
選ばれる側がいやなら、選ぶほうになればいいんです
JASDAQ最年少上場IT社長なのだけど、読めば読むほど居酒屋で適当な事を言っている気のいいお兄ちゃん。
やりたいことがあるならとりあえず、企業して行動することを勧めている。起業しない人は仕事を選ぶなんてゼータク。「選ばれる立場がいやなら、選ぶほうになれ」とのこと。
とりあえず文句があるなら行動しろ、なんでもいいからというのはとてもわかり易い家入一真さんの言葉。
Cahpter8 『登 大遊』
ソフトイーサ株式会社 代表取締役会長
産学官連携事業の雄、”天才プログラマー”の称号を持つ
ほんとうに好きなことだけやってる人が集まれば大きなことができる
読む限り頭のいい人が頭のいいことをやったんだなという感想。法律をプログラムと同じように捉えて読むことができる視点は普通のプログラマーとして生きていた事があるがそんな感性を持つことはなかった。
年金問題や大企業の問題などの問題とこれからの未来がどうなるべきかを語っている。2010年は日本が中国に名目GDPを抜かれた年でもあり、本来ならここで日本のあり方を考える年だったのかもしれない。世界中の国々がITを取り入れ無駄に働いている人を省くということをしている中で2020年になっても紙の資料をシュレッターにかけてデジタルデータが無い。日本は2000年の時から時が止まったかのような国は取り残されている。
登大遊さんは世界の境をVPNで無くすことでインドに住みながらアメリカの仕事をするという話を語っている。2018年ごとから若く仕事ができる人たちが海外移住の話をしているのを見ると登大遊さんが語っていた世界が日本でも目に見えるようになった。
優秀な人たちはそれでもいいけどそうじゃない人たちはただ本人の最高性能を出せる事を見つけてないだけとのこと、「できるだけ苦労なしでできることで、世の中に役に立てる方法が、必ずあるはず。自分がなにをするとき、なにをするときに苦労なしでできるかを、頭を使って考えるんです。」と語っている。
Cahpter9 『堀江貴文』
元ライブドア代表取締役社長CEO
100億円を稼ぎ出した「想定外」の元IT社長
100億円以下ない会社なんて、いかにもハンパでしょ?
「100億円行かない会社なんていかにもハンパでしょ」という言葉からもわかるがこの10年以上前の本からもわかる通り、今とほぼ何も変わっていない。今も昔も変わらず、やりたいと思ったらすぐにやりたいという精神で行動する力はTwitterやネットのニュースを見ていてもわかる。
会社を作ったのもIT企業のバイトをやって自分で会社をやったほうがいいと企業している。そんな起業した会社は2年目で1億円の売上を越えて、他の企業がやっていないことを狙って売上を上げていくことで100億円の売上のある会社へとあっという間になった。
2010年の不景気な時代で会社がうまくいくかどうかは不景気とかは関係なく、売れる商品が変わっているだけで儲かってるか会社はあると言っている。
堀江貴文さんの会社であったオン・ザ・エッジはサイバーエージェントと組んで他の会社には不可能と言われた広告配信システムやメールマガジン配信システムを作っている。
不景気とかは関係なく何をやるかだけの問題だと語っている。
100億円を稼いで社会に影響力が出たらしい堀江貴文さん、ライブドア事件の後は会社ではなくオンラインサロンで人を集めて様々なことに関わって自分がやりたいと思った新しいことを次々にやっている。
和牛のお店や予防医療であったり、もちろんロケット開発はずっと続いている。調べれば様々なことに関わっているがすべてが成功しているわけではないが、思いついたらすぐにやる行動力が重要だとわかる。
読んだ感想としては今も昔も殆ど変わらない人そんな印象が残った。この本の中でももっともメディアに出てくる人なので常に目にする機会があるのでいつもと同じこと言ってるなという気がしたが、ことこそが成功者の証なのかもしれない。
Cahpter10 『西村博之』
株式会社未来検索ブラジル/株式会社ニワンゴ取締役
元巨大掲示板2ちゃんる管理人
もし失敗したら、いいネタにできるじゃないですか!
30になっても授業がなかったら寝てて、バイトがあれば出かける大学生に親近感を感じてダラダラと生きたいと思っているこの本の中でもかなり異色な西村博之さん。
読んでいると働きたくないこと効率と面白いことを求めているのがひしひしと感じる。大学受験のとき勉強はしないけどマークシートを効率的に解く方法であったり、アメリカの大学への留学先をアーカンソー大学に決めたのも寒くなくて、学費が安く、インターネットに常時接続できるところという理由で決めている。
このインターネットが常時接続出来る環境があったからこそ2ちゃんねるが生まれている。
面白いことも自分が楽しいことを作って自分が満足すればいいやって考える。その満足するのにお金を払うのは嫌だから自分で作る。
失敗したりミスをしたりしたとき、恥ずかしいと思うか、これはおいしいなと思うか。西村博之さんはこれはおいしいなと思う人であること、やらないで我慢して、あとで後悔することが一番いやだからこそなんだかんだ働きたくないと言いながらもいろいろなことをやっていると気がする。
Appendix『古川健介 × 西村博之』
就職はしたけれど、社長になってしまいました
働きたくない西村博之さんと働きたいけど楽しく働きたい古川健介さんの対談
今までのインタビューは世の中にはこんな人達がいるんだとか、就職はしなくてもこんな生き方出来るんだという印象を楽しむ面白い話として読める。それにくらべて2人の対談はもっと軽い居酒屋トークでサラリーマンとかストレス多いいから起業したほうが楽だよねとか、起業失敗しても生活保護とかあるから生きていける生きていける。
軽いノリではあるのだけど、
西村博之さんが語る経営者に向いている人としてサービスや商品をどのように扱うか。努力ができる事自体が才能であるということ、『成果は能力×努力であって能力がゼロの人は結果もゼロ』といった何気にためになる話が多い。